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パワハラ

バイト先でパワハラを受けてしまったら

パワハラに該当する基準とは

パワハラ(パワーハラスメント)は、上司や同僚からの過度な圧力や嫌がらせを含む、職場での不適切な行動です。
パワハラは、職場の上司や同僚だけでなく、部下や取引先などからも受ける可能性があります。パワハラの具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

・暴力的な言葉や態度で罵倒したり、脅迫したりすること
・仕事に関係のない個人的なことを聞いたり、不当に批判したりすること
・仕事の内容や量を適切に調整せず、過度に負担をかけたり、逆に仕事を与えなかったりすること
・職場での人間関係や情報の共有を妨げたり、孤立させたりすること
・性的な言動や行為でセクシャルハラスメントを行ったり、そのような場面に無理やり参加させたりすること

パワハラは、労働者の心身の健康を害するだけでなく、職場の雰囲気や業績にも悪影響を及ぼします。
パワハラを受けた場合は、早めに相談窓口や専門家に相談し、適切な対処を求めることが重要です。

パワハラに該当しない事例とは

上記でパワハラに該当する基準を紹介しましたが、パワハラに該当しない事例もあります。
それは、職務上必要かつ合理的な指導や助言、業務上の判断や評価など、職場の秩序や業務の円滑な遂行に資する行為です。
例えば、
・部下のミスを指摘して改善策を示す
・業務の進捗状況を確認する
・業績不振の部下に対して改善目標を設定する
・能力や適性に応じて人事異動や配置転換を行うなど

上記はパワハラには当たりません。ただし、これらの行為が過度に厳しく、不必要に繰り返されたり、不適切な言動や態度で行われたりする場合は、パワハラとみなされる可能性があります。
したがって、パワハラに該当しない事例を判断する際には、その内容や方法、頻度や程度などを総合的に考慮する必要があります。

バイト先でパワハラを受けたら

バイト先でパワハラを受けたときには、自分の権利を守るために以下の対処法をとることができます。

パワハラを記録する

パワハラの内容や日時、場所、加害者や関係者などを記録しておきましょう。
できれば録音や録画などの証拠も集めておくとより有利です。
パワハラは言い逃れや隠蔽されることが多いので、客観的な証拠があると自分の主張を裏付けることができます。

信頼できる人に相談する

パワハラは心理的なストレスや不安を引き起こすことがあります。
そのため、家族や友人、恋人などに話を聞いてもらうことで気持ちを落ち着かせることができます。
同じバイト先の仲間や先輩などに相談することで、パワハラの実態や背景を知ることができるかもしれません。

バイト先の社内窓口で相談する

バイト先にパワハラ対策の担当者や相談窓口があれば、そこに相談することで解決策を探すことができます。
パワハラは労働法や人権法に違反する行為なので、会社は適切な対応をしなければなりません。
企業に対して雇用上必要な措置としてパワハラ防止法(※)を遵守する必要があるからです。
相談窓口がない場合は、上司や店長などに相談することもできますが、加害者と関係がある場合は注意が必要です。

公的機関で相談する

社内窓口で解決しない場合や、会社から不利益な扱いを受けた場合は、公的機関に相談することも可能です。
労働基準監督署や労働局などでは、パワハラに関する労働相談を受け付けています。
また、人権擁護委員会や法テラスなどでは、パワハラに関する人権相談や法律相談を受け付けています。
これらの機関では、専門家がアドバイスや支援をしてくれます。

バイト先でパワハラを受けたときは、自分一人で抱え込まずに、上記の対処法を参考にしてください。
自分の権利を主張することは恥ずかしいことではありません。パワハラは許されない行為です。

※パワハラ防止法とは
パワハラ防止法、正式には「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実に資するための法律(以下、パワハラ防止法)」と呼ばれます。
この法律はパワハラを防止するための法律であり、事業主に対してパワハラの防止措置を義務付けます。
パワハラは職場での権力の乱用によって従業員に対して行われる嫌がらせや虐待を指します。

この法律の趣旨は、パワハラのない健全な職場環境を確保し、労働者の心身の安全を守ることです。
パワハラ防止法は企業に対し、パワハラ予防のためのガイドライン策定、教育・トレーニングの実施、報告体制の整備、適切な対処措置の講じることを義務付けており、パワハラを受けた労働者の保護を強化しています。

バイト先でパワハラを受けたら退職することも1つの方法

バイト先でパワハラを受けた場合、退職することも1つの方法です。
パワハラに対処するため、本来必要ない無駄な労力を費やさなければなりませんし、我慢し続けると心身ともに不調をきたす恐れがあります。
メンタルを病んでしまうとうつ病や適応障害など、今後の日常生活において悪影響を及ぼすかもしれません。
バイトは一つだけではなく、あなたにあったバイトが必ずあります。辞めることは、自分を守るためです。
ただし、バックレてはいけません。
パワハラを受けた場合のバイトの辞め方についても解説します。

バイト先の辞め方とタイミング

パワハラを受けた場合のバイト先の辞め方とタイミングについて、以下のポイントを参考にしてください。

パワハラはやむを得ない事由のため即日退職可能

パワハラは労働基準法や民法などで禁止されており、重大な理由があれば即日退職が認められます。
パワハラを受けていることを証明するために、できるだけ証拠を残しておくことが重要です。
例えば、パワハラの内容や日時、場所、関係者などをメモや録音などで記録したり、第三者に相談したりすることが有効です
また、パワハラを受けていることで精神的に不安定になっている場合は、医師の診断書や診療記録なども有力な証拠になります。

退職日まで有給や欠勤を使う

パワハラを受けているときは、退職日までにバイト先に出勤することが困難な場合があります。
そのような場合は、有給休暇や欠勤を利用して、退職日までの間にバイト先との接触を避けることができます。
ただし、有給休暇や欠勤は事前に申請や連絡が必要な場合が多いので、その点は注意してください。

退職代行を利用する

パワハラを受けているときは、バイト先との退職交渉が困難な場合があります。
そのような場合は、退職代行サービスを利用することも一つの方法です。
退職代行サービスとは、専門のスタッフがバイト先に退職届や退職理由を伝えたり、最終給与や社会保険の手続きを代行したりするサービスです。
退職代行サービスを利用することで、バイト先と直接対面する必要がなくなります。
ただし、退職代行サービスには費用がかかる場合があるので、その点は事前に確認してください。

パワハラを受けたら法的に訴えることはできる?

パワハラによる被害者は、法廷で訴訟を提起し、損害賠償を求めることが可能です。
訴訟の前に労働者と事業者間で発生したトラブルを解決するため、「労働審判手続き」という手続きもあります。
どちらにしても、証拠が必要なので、綿密な準備が必要です。
もし、すぐに公的機関に状況を訴えるのであれば、まずは労働局へ相談しましょう。
損害賠償については、発覚から3年過ぎると請求できなくなるため、早めの相談をおすすめします。

バイト先でパワハラに遭わないためには

パワハラに遭いにくいバイト先の見極め方として、以下のポイントを参考にしてください。

自分が働く予定の時間帯に見学に行く

これは、実際の職場の雰囲気や人間関係を直接観察することができる方法です。
見学に行くときは、できるだけ多くのスタッフや上司とのやりとりを見ておくようにしましょう。
その際に、スタッフ同士や上司とのコミュニケーションが円滑かどうか、声かけや指示が適切かどうかなども注意して見ておくことが重要です。

電話や面接などの対応に問題がないか確認する

パワハラに遭いやすいバイト先は、応募や採用の段階から対応に問題がある場合があります。
例えば、電話での応募時に不親切な態度をとられたり、面接で無理な条件を提示されたり、不明瞭な回答をされたりすることがあります。
このような場合は、パワハラのリスクが高いと判断しても良いでしょう。
電話や面接で丁寧に対応してくれたり、質問に明確に答えてくれたり、納得できる説明をしてくれたりする場合は、パワハラに遭いにくいバイト先である可能性が高いです。

面接では自分の希望も伝えておく

パワハラに遭わないためには、自分の希望や条件もしっかりと伝えることが大切です。
例えば、勤務時間やシフトの希望、給与や待遇の希望、仕事内容や責任範囲の希望などを明確に伝えましょう。
もし、面接で自分の希望を無視されたり、押し付けられたりするようなことがあれば、無理だと断ることが大事です。
面接で自分の希望を尊重してくれたり、相談に乗ってくれたりするようなことがあれば、パワハラを受けにくいバイト先である可能性が高まります。

まとめ

パワハラの判定基準は厚生労働省によって設定されています。
しかし、パワハラの捉え方は個人によって異なることがあります。
基準に完全に合致しなくても、それがパワハラである可能性は排除されません。

パワハラを経験している場合、法的には即日退職が認められています。
また、多くのバイト先が選択肢として存在します。問題が解決しない場合、自身の健康と幸福を優先するために早めに退職を検討することが重要です。

バイト中にパワハラ的な行為に苦しんでいる場合、一人で悩まず、まずは信頼できる誰かに相談することをおすすめします。